
子どもたちとAED
2025/06/11
大阪市西区の靭本町にあるいづる保育園では、子どもたちが自分たちで考え、物事を進めていける保育を大切にしています。
そして、いづる保育園では、できるだけ子どもたちの小さな発見や興味をしっかり見て、それを保育に取り入れるようにしています。
なぜなら、子どもたち自身の「なんだろう?」「やってみたい!」という気持ちから始まる経験は、心に深く残るものだからです。だからこそ、決められたカリキュラムだけではなく、日々の中で生まれる子どもたちの気づきを大切にし、それに応じた保育を柔軟に行っています。
子どもたちとAEDの出会い
今回は、昨年度にあった、子どもたちとAEDの出会いについてご紹介します。

昨年度、園では職員が交代で救命講習を受けていました。しかし、ネイティブスタッフにとっては一人で受講するのが難しく、園内で人形を使った心肺蘇生の練習はできたものの、AEDの実物を扱う機会がありませんでした。
そんな中、ある幼児向け雑誌の付録に「おもちゃのAED」が付いていることを知り、「子どもたちと一緒に体験してみたら面白いかもしれないね」と職員同士で話し合い、園で取り入れることにしました。
最初は職員の体験の補助のつもりでしたが、実際に子どもたちと一緒にAEDを使ってみると、思わぬ広がりが生まれます。
AEDへの興味が長期間続き、継続した保育に
街中でAEDのステッカーを見つけた子どもたちが「ここにもあったよ!」と報告してくれるようになり、いつもの散歩が「AED探しの冒険」に。
ある日、園で見たドラマの中に「トリアージ」のシーンが登場し、「これなに?どうやって使うの?」という会話が自然と生まれました。
その後、保育者が実際のトリアージ用紙を印刷し、保育室に置いてみたところ、子ども達がすぐに反応し、遊びに取り入れながら興味を広げていく様子が見られました。



さらに、警察署を訪れる別の活動の中でも、AEDマップをじっと見つめる子の姿があり、「AED」は日常生活の中でも気になる存在に。

子どもたちや職員が海外旅行に出かけた際には、外国のAEDの「色」や「形」が違うということにも気づき、写真を撮って園に持ち帰ってくれる場面も。日本だけでなく、世界のAEDを知る機会になりました。
ここまで子どもたちのAEDへの興味が高まっているならば、と、AEDとCPR(心肺蘇生)のトレーニングキットを園で購入。子どもたちは、ごっこあそびの延長で、さらに具体的にAEDを扱う体験を重ねていきました。





そして、年度末の生活発表会(Performance day)。幼児クラスでは子どもたち自身で劇を作ることになり、その中に「人が倒れる」シーンが登場。
「AEDで助けよう」
普段の保育の中で興味を持っていたAEDを、子どもたちは自然に劇の中に取り入れて表現していたのです。
これは、あらかじめ計画された活動ではありません。一人ひとりの「これなに?」「やってみたい」を見逃さず、大切に拾い上げたことで、思いもよらぬ形にまで発展した例です。
※ちなみに、今年もAEDはまだまだ大人気。今年度にあったAEDのお話はまた別の機会でご紹介します。
まとめ
このように、いづる保育園うつぼでは、子どもたちの小さな発見や興味を、その場かぎりで終わらせることなく、保育にしっかり取り入れています。
職員同士も「子どもたちの視点」を共有し合いながら、どうすればその興味をさらに深められるかを常に考え、保育の中に柔軟に取り入れていく姿勢を大切にしています。
子どもたちの小さな興味や発見を「保育」へとつなげる、ぜひ一度、ご見学にいらしてください。